2007年11月24日
想像する力
うちのクラブは、上級のおじさま、おばさまがてんこもり
その中の最高齢は、御年92歳になられるおじいちゃま
普通に私とテニスもするし、
自分で運転をして毎日クラブにくる。
まあ、
確かに自分で運転はされるのだが、
主様が前に言ってたには・・・・
ほとんど止まるくらいのスピードしか出さないらしく、
おじいちゃまの後には必ず金魚のフンのように車の列ができてしまうそうな・・・
「あれは絶対に、社会迷惑だ・・・・・」
と、主様は激怒していたが・・・・
私にしてみれば・・・・
主様は、免許を取ってから何十年も
高速道路で140キロ以下で走ったことがないそうで、
トロい車がいると、いまだに普通に後からあおるそうなので、
社会迷惑という土俵の上ではどちらに軍配をあげていいものか・・・・。
話は変わるが、
女性で最高齢なのが、
うちのクラブのママ(年齢はあえて伏せますが・・・)
私が、お母さんと呼んで、
ずっとテニスの神様のように慕っているお方である。
お母さんは、数年前に肩の腱を切り、
年齢も年齢なので、お医者さまに
「もうテニスはできない・・・」
といわれた。
そこであきらめるのが普通だと思うのだが、
お母さんは、そこで引き下がるような人ではなかった。
「テニスがまたできるようになるかもしれない!」
「またテニスがしたい」
という一縷の望みをかけて、
手術をするという決断に踏み切った。
その手術も、成功して腱は治せたとしても、
腱を切る前に戻せるわけではなく、
術後のリハビリは高齢なお母さんにとっては、至極困難なことであり、
お医者さんも、手術をしたってテニスをできるようになるまではならないとまで言っていたそうだ。
また、
テニスができるようになる保証はどこにもなかった
なのに、お母さんは、
水泳を始め、
そして、少しずつラケットを振り、
リハビリを重ね・・・
驚く事に、数年後、年齢別のトーナメントに出て、
1日に5セットもできるくらいにまでなった。
そして、今なお、上手になり続け、
私が知ってる限りでも、
確実にフォアが安定してきているのだ。
クラブに入った頃、
私は、ある方に言われた。
「そんなジュニアのようにラケット振り回してどうするの。
これから年とっていくのに・・・
年齢にあわせたテニスをしないと・・・」
と・・・・・。
が~~~ん!!( ̄ ̄ロ ̄ ̄;;)・・・
その方は、シニアの全日本にも出てる方で、
そういう人に言われた一言はかなり堪えた。
ものすごく悲しかった
雛鳥は生まれて初めて見たものが親だと言うが、
私が、ラケットを握って初めて見たものは、
おやじっちであり、エナンだったので、
彼が教えてくれたテニス、
毎日、毎日あきるほど見たエナンのテニスが
私のテニスだった。
まるで、
今、君がやろうとしてるのは、
君の年には無理だよ
と完全否定された感じ・・・・。
「た、確かに、もうすぐ40だけど・・・・でも、まだ40だもん・・・・(;o;_;)o」
私はしょんぼりして家に帰り、おやじっちにそのことを言った。
すると・・・・・
「あのね、ひろみちゃんには、
初めから補助輪なしで教えたの。
だからすっころぶ。
すっころんでるのをみんなが見たら、
「補助輪つければいいじゃん」っていうよ。
そうすれば、その場は、みんなと同じように
すいすい走れるんだから。
だから、一般のレッスンでは補助輪つきのテニスを教えるんだよ。
誰でもすぐに走れるように・・・。
でも、補助輪つきでは、まあまあのレベルに行くことはできても、
それ以上のレベルには行くことはできない。
もっと上に行こうと思ったら、いつかどこかで補助輪を外さなきゃならない時期がやってくる。
でも、それも実は厄介なんだよ。
ある程度うまくなると、みんな負けることや、一瞬下手になることを嫌がって、
なかなか補助輪を外せないもんなんだ。
だから、今、ひろみちゃんはいくら転んでもいいの。
いつかは必ず乗れるようになるんだから、時間がかかったとしても・・・・。
でも、今、転ぶのがいやだったら、上に行くことをあきらめて、
補助輪つけてテニスをやれば」
「いやだ。(>_<;=;>_<)。」
「だったら、人がどういおうが、気にしない。
これからだって、いくらでも言われるよ。
でも、ひろみちゃんのボールが入るようになれば、
誰も何も言わなくなる。
人ってそんなもんだよ」
この会話から、3年がたち、
このとき言ったおやじっちの言葉は、本当だったと感じる・・・
そして・・・・
お母さんもまた、おやじっちと同じく
ダブルフォルトはするわ・・・リターンは返らないわ・・・とてんでお話にならんちんだった私に
「あなたは、あなたらしく思い切りやったほうがいい」
と言い続けてくれた1人だった。
だから、いろんな方にいろんなアドバイスをもらい、
迷い始め、私がちょこっとでも、こじんまりしたプレーをしようものなら、
クラブのみんなには「大人になった」と褒められたとしても
お母さんには、
「あなたらしくない」と言われ、
行くべき道に、一瞬にして連れ戻してくれた。
年を取ると、
今以上にうまくなろうとするのをあきらめてしまう人が多いけど、
お母さんにはそれがちっともない。
おやじっち曰く、
「年齢とか、気にしないで、うまくなろうとする人は、
ある意味、現実を見てない人だよね。」
「へ?Σ(ノ°▽°)ノ・・・・それって褒めてる・・んだよね?」
「そうだよ。
だって、誰だって、現実を見れば無理だって普通は思うでしょ?
もう年だしとか・・・・。
でも、お母さんみたいな人はさ、
うまくなったらいいなあ・・・・
こんな風に打てたらいいなあ・・・・
ってそっちのほうで頭がいっぱいで、
今がどうとかあまり関係ないんだよね。
要は、想像する力だよね」
わかる気がする。
いつもお母さんの口から出るのは、
「こう打ちたいのよね」という希望の言葉だ。
うまくいかないと思うけど・・とか、
うまくいかなかったらどうしよう・・・なんて考えてるなんて微塵も伝わってこない。
そういわれてみれば、
お医者さんが、手術したって無理だって言ってるのに、
そんなの無視して、
テニスができるようになるかもしれない!
って思えたのは、ある意味、
無謀ともいえる楽しい想像力だったのかもしれないなあ。( ̄~ ̄;)
その中の最高齢は、御年92歳になられるおじいちゃま
普通に私とテニスもするし、
自分で運転をして毎日クラブにくる。
まあ、
確かに自分で運転はされるのだが、
主様が前に言ってたには・・・・
ほとんど止まるくらいのスピードしか出さないらしく、
おじいちゃまの後には必ず金魚のフンのように車の列ができてしまうそうな・・・
「あれは絶対に、社会迷惑だ・・・・・」
と、主様は激怒していたが・・・・
私にしてみれば・・・・
主様は、免許を取ってから何十年も
高速道路で140キロ以下で走ったことがないそうで、
トロい車がいると、いまだに普通に後からあおるそうなので、
社会迷惑という土俵の上ではどちらに軍配をあげていいものか・・・・。
話は変わるが、
女性で最高齢なのが、
うちのクラブのママ(年齢はあえて伏せますが・・・)
私が、お母さんと呼んで、
ずっとテニスの神様のように慕っているお方である。
お母さんは、数年前に肩の腱を切り、
年齢も年齢なので、お医者さまに
「もうテニスはできない・・・」
といわれた。
そこであきらめるのが普通だと思うのだが、
お母さんは、そこで引き下がるような人ではなかった。
「テニスがまたできるようになるかもしれない!」
「またテニスがしたい」
という一縷の望みをかけて、
手術をするという決断に踏み切った。
その手術も、成功して腱は治せたとしても、
腱を切る前に戻せるわけではなく、
術後のリハビリは高齢なお母さんにとっては、至極困難なことであり、
お医者さんも、手術をしたってテニスをできるようになるまではならないとまで言っていたそうだ。
また、
テニスができるようになる保証はどこにもなかった
なのに、お母さんは、
水泳を始め、
そして、少しずつラケットを振り、
リハビリを重ね・・・
驚く事に、数年後、年齢別のトーナメントに出て、
1日に5セットもできるくらいにまでなった。
そして、今なお、上手になり続け、
私が知ってる限りでも、
確実にフォアが安定してきているのだ。
クラブに入った頃、
私は、ある方に言われた。
「そんなジュニアのようにラケット振り回してどうするの。
これから年とっていくのに・・・
年齢にあわせたテニスをしないと・・・」
と・・・・・。
が~~~ん!!( ̄ ̄ロ ̄ ̄;;)・・・
その方は、シニアの全日本にも出てる方で、
そういう人に言われた一言はかなり堪えた。
ものすごく悲しかった
雛鳥は生まれて初めて見たものが親だと言うが、
私が、ラケットを握って初めて見たものは、
おやじっちであり、エナンだったので、
彼が教えてくれたテニス、
毎日、毎日あきるほど見たエナンのテニスが
私のテニスだった。
まるで、
今、君がやろうとしてるのは、
君の年には無理だよ
と完全否定された感じ・・・・。
「た、確かに、もうすぐ40だけど・・・・でも、まだ40だもん・・・・(;o;_;)o」
私はしょんぼりして家に帰り、おやじっちにそのことを言った。
すると・・・・・
「あのね、ひろみちゃんには、
初めから補助輪なしで教えたの。
だからすっころぶ。
すっころんでるのをみんなが見たら、
「補助輪つければいいじゃん」っていうよ。
そうすれば、その場は、みんなと同じように
すいすい走れるんだから。
だから、一般のレッスンでは補助輪つきのテニスを教えるんだよ。
誰でもすぐに走れるように・・・。
でも、補助輪つきでは、まあまあのレベルに行くことはできても、
それ以上のレベルには行くことはできない。
もっと上に行こうと思ったら、いつかどこかで補助輪を外さなきゃならない時期がやってくる。
でも、それも実は厄介なんだよ。
ある程度うまくなると、みんな負けることや、一瞬下手になることを嫌がって、
なかなか補助輪を外せないもんなんだ。
だから、今、ひろみちゃんはいくら転んでもいいの。
いつかは必ず乗れるようになるんだから、時間がかかったとしても・・・・。
でも、今、転ぶのがいやだったら、上に行くことをあきらめて、
補助輪つけてテニスをやれば」
「いやだ。(>_<;=;>_<)。」
「だったら、人がどういおうが、気にしない。
これからだって、いくらでも言われるよ。
でも、ひろみちゃんのボールが入るようになれば、
誰も何も言わなくなる。
人ってそんなもんだよ」
この会話から、3年がたち、
このとき言ったおやじっちの言葉は、本当だったと感じる・・・
そして・・・・
お母さんもまた、おやじっちと同じく
ダブルフォルトはするわ・・・リターンは返らないわ・・・とてんでお話にならんちんだった私に
「あなたは、あなたらしく思い切りやったほうがいい」
と言い続けてくれた1人だった。
だから、いろんな方にいろんなアドバイスをもらい、
迷い始め、私がちょこっとでも、こじんまりしたプレーをしようものなら、
クラブのみんなには「大人になった」と褒められたとしても
お母さんには、
「あなたらしくない」と言われ、
行くべき道に、一瞬にして連れ戻してくれた。
年を取ると、
今以上にうまくなろうとするのをあきらめてしまう人が多いけど、
お母さんにはそれがちっともない。
おやじっち曰く、
「年齢とか、気にしないで、うまくなろうとする人は、
ある意味、現実を見てない人だよね。」
「へ?Σ(ノ°▽°)ノ・・・・それって褒めてる・・んだよね?」
「そうだよ。
だって、誰だって、現実を見れば無理だって普通は思うでしょ?
もう年だしとか・・・・。
でも、お母さんみたいな人はさ、
うまくなったらいいなあ・・・・
こんな風に打てたらいいなあ・・・・
ってそっちのほうで頭がいっぱいで、
今がどうとかあまり関係ないんだよね。
要は、想像する力だよね」
わかる気がする。
いつもお母さんの口から出るのは、
「こう打ちたいのよね」という希望の言葉だ。
うまくいかないと思うけど・・とか、
うまくいかなかったらどうしよう・・・なんて考えてるなんて微塵も伝わってこない。
そういわれてみれば、
お医者さんが、手術したって無理だって言ってるのに、
そんなの無視して、
テニスができるようになるかもしれない!
って思えたのは、ある意味、
無謀ともいえる楽しい想像力だったのかもしれないなあ。( ̄~ ̄;)